47都道府ケンミン・焼ビーフンプロジェクト

「都道府県民の日」とは?

47都道府県のご当地焼ビーフンを地元の方々とともにつくらせていただく当プロジェクト。まずはその地域の文化や地域の特色などを知ろう、と調べていくうちに出会ったのが「都道府県民の日」です。

なぜその日に設定されたのか?
設定されていない都道府県もあるらしい。

など、都道府県によってばらばら。社名が「ケンミン」なだけに気になったのも事実ですが、各都道府県ごとにどんな成り立ちや由来なのか?を調べてみました。

(ちなみに、プロジェクト第一弾、千葉焼ビーフンの販売日も「千葉県民の日」にさせていただきました)

都道府県民の日

北海道(7月17日)
北海道の名付け親とされる松浦武四郎が、明治2年(1869年)、明治政府に対し「北加伊道」という名称を提案した日に由来。「北海道みんなの日」(愛称「道みんの日」)。

秋田県(8月29日)
1871年の廃藩置県によって、「秋田県」が誕生した日を記念し、1965年に制定。

福島県(8月21日)
1976年8月21日に、旧福島県・磐前県・若松県の3県が合併して現在とほぼ同じ福島県の姿が誕生したことから、1997年に制定。

茨城県(11月13日)
1871年11月13日に、初めて「茨城県」という県名が用いられたことに由来。

栃木県(6月15日)
1873年、栃木県と宇都宮県が合併し、おおむね現在と同じ県域の栃木県が成立した日に由来。

群馬県(10月28日)
1871年に初めて「群馬県」の名称が使用されたことに由来。

埼玉県(11月14日)
1871年の廃藩置県により「埼玉県」が誕生したことに由来して1971年に制定。

千葉県(6月15日)
1873年6月15日に当時の木更津県、印旛県の両県が合併して千葉県が誕生したことに由来。

東京都(10月1日)
1898年10月1日に、市会によって選ばれた市長をもつ新しい東京市が誕生したことに由来。

山梨県(11月20日)
1871年にそれまでの甲府県を山梨県と改めた日に由来。

富山県(5月9日)
1883年に現在の富山県が設置されたことに由来して2013年に「県民ふるさとの日」と制定。

福井県(2月7日)
置県の日を「ふるさとの日」と制定。

静岡県(8月21日)
1876年に現在の形で県が始まったことに由来。

三重県(4月18日)
1876年に、安濃津県(のちに三重県と改称)と度会県が合併して現在の三重県が誕生したことに由来し1976年に県政100周年を記念して、制定。

和歌山県(11月22日)
1871年に和歌山・田辺・新宮の紀州3県の統合により現在の和歌山県が誕生したことに由来。

愛媛県(2月20日)
1873 年に石鐵県と神山県が合併し、愛媛県が設置されたことに由来。1973 年に満百年となることを記念し、県政発足記念日と制定。

鳥取県(9月12日)
1881年に現在の鳥取県が誕生した日に由来し、1998年より、「とっとり県民の日」として制定。

鹿児島県(7月14日)
鹿児島県が誕生した1871年の廃藩置県布告日に由来。明治150周年を記念し2018年に制定。

確認できない都道府県
青森県、岩手県、宮城県、山形県、神奈川県、新潟県、長野県、石川県、岐阜県、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、徳島県、香川県、高知県、島根県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県

(2021年7月時点。各都道府県のホームページより)

多くの県にとって、誕生の日が「都道府県民の日」だとすると、会社にとっての「都道府県民の日」は創立記念日なのかもしれません。ではケンミン食品にとっての創立記念日とはどんな存在なのか。高村一成会長にインタビューしました。

【ケンミン食品にとっての創立記念日】
記録はなくとも、受け継がれるもの。

––––– まずは創立記念日っていつなんでしょう?

会長:正直に言うと、何月何日に会社が設立された、という記録はないんです。
創業者である私の父、高村健民にたずねたこともありますが、本人も記憶が定かでなかったようで。でも会社なので創業がいつなのかは聞かれることが多かったから、父の誕生日の3月8日にしようと。

それで、その日は社員みんなで集まって「創立のお祝いの会」というのを開いています。でも、これも実は何年から始まったのかは記憶も記録もない(笑)。

確実に言えるのはこのビルができた後、っていうことくらいかな。1995年に今の自社ビルに引越しして、ようやく社員一同集まるスペースができたので、決算が2月なのもありますが、社員全員で集まってお祝い会をしよう、となったんです。

––––– そのお祝い会ではどんなことをするんですか?

会長:最初にすこし挨拶みたいなことは話しますが、あとはケンミンダイニングの料理を囲んでお酒を飲みながら、みなさんでざっくばらんに交流してもらってます。そのスタイルはずっと変わってないかな。

そのうち父の代から働いている方達がだんだん定年退職しはじめて、OBという存在ができるようになってきたので、OBの方もお呼びするようになってね。OBの方も会社に対して思いもあっただろうし、現役社員も元気にやっているよ、がんばっているよ、というのも見てもらいたかったんです。

––––– 本社の全社員とOBの方まで。なんだか楽しそうです。

会長:写真とかを見せられたらいいんだけど……(横で聞いていた総務部長谷川さんに)写真もないんだよね?

長谷川:ないんです……

––––– 写真もない(笑)。いわゆる社員が並んで、みたいな記念写真とかも、、、

会長:うん、撮らない。

––––– なるほど。伺っていると、会社のためにみなさんに集まってもらう、というよりは本当に、「社員のために」という感じがします。

会長:そうですね。私自身が常々申し上げてきたのは、社員に幸せになってもらいたい、ということなんです。辞めるときにこの会社で働けてよかったな、と思ってもらうのが念願でしたから。健民さんも口にしたことはあまりなかったけれど、社員を大事にしていることは間違いなかったと思います。

––––– だからお祝いの会はみなさんに楽しんでもらうようなスタイルで。長谷川さんは実際に参加されていてどうですか?

長谷川:OBの方々もたくさんいらして、元気?今どうしてるの?と声をかけあって、先輩方と現役の交流の場でもあるんですけど、諸先輩方が築いてこられた歴史をお話の中で感じたり。

新社屋披露の会の様子。「創立のお祝いの会」の写真はありませんでしたが、「大体こんな雰囲気」だそうです。

––––– どんなお話なんですか?

長谷川:当時、商品の数も限られていて、ビーフン自体の知名度もほとんどなく、ビーフンと春雨ってどう違うの?っていう時代。その中でビーフンを知ってもらうために足でかせいで、やっとここまで来たなあって先輩方がおっしゃられているのを聞いたりして。我々はその歴史の中で業務ができているんだな、そしてそれを次につないでいくんだな、と。そういう1年に1回、振り返って次につなげる節目だなと感じてます。

––––– 模範解答みたいなお話ですが…(笑)

長谷川:そうですか(笑)。参加率ほぼ100%ですから、みんなもそうなんじゃないかなと。そんなお話をしつつ、お料理とお酒も呑むので、ついつい会が終わってもずるずると居続けちゃう人もいるんですけど、いつも名残惜しく会場を閉めてます。

––––– なかなか会社側から「歴史を感じろ」なんて言えないし、言ったとしても感じてもらえないものなんじゃないかと思います。

会長:みんなの力を結集する、というかな、そういう雰囲気を盛り上げるためにもお祝いの会があっていいのかな、って思ってますけどね。

会社っていうのは結局は人なんですよね。わたしたちはメーカーですけど、商品を作ってるのも人、売るのも人。

––––– だから「人を大切に」なんですね。一般的な「創立記念日」って会社のために、というイメージだったのですが、なんだか今日のお話を聞いていると、「社員のために」なんだなって思いました。そう思うと、県民の日も「県のために」ではなく、「県民のために」なのかもしれないなって。